相変わらずの乾鳥期なのでどこに行っても鳥見の成果に期待できません。
暑さが続くせいか、冬鳥の飛来も思わしくないようです。
そんな状況なので、今年は早々に餌台にヒマワリの種を置き、食い意地の張った留鳥を狙ってみました。
自宅の周りには三箇所に餌台を設置して、状況に応じて撮影場所を変えているのですが、一階のリビングから窓越しに観察できる位置にも一箇所置いています。
この位置に向いた窓は開かないので、普段は主に観察のみですが、その横の玄関の扉を開放すると居ながらにして撮影可能になります。
餌台までの距離は約7m。
合焦さえすればきれいに解像する距離です。
さすがに玄関手前に三脚を据えるわけにもいかないので、EF100-400mmでの手持ち撮影がメインになります。
玄関付近にカメラを置いておいて、暇な時に野鳥が餌台に寄ったタイミングで撮影します。
まだ餌台に慣れていないせいか野鳥たちも恐る恐るといった感じで飛来するので、シャッターチャンスは少ないのですが、ゴジュウカラを中心にヤマガラ、シジュウカラなどの常連が被写体になってくれました。
7mという距離はEF100-400mmでもなんとか解像する距離ですが、画角的には少し物足りません。
もう少しクローズアップできたらなと感じていた際、思い当ってエクステンダーをつけてみることにしました。
所有しているのはEXTENDER EF1.4×IIIですが、これはEF100-400mm購入時に少しでも距離を伸ばしたいとの思いから追加で購入した物ですが、その当時の装着感は非常に悪く、ズームでは使い物にならないなという印象でした。
したがってなんとか使用に耐える単玉のEF500mm購入まではお蔵入りでしたが、今回試しにEF100-400mmで使ってみることに。
結果は、あれ?意外に解像するな、というもの。
あくまでRAWで撮影して現像が前提。シャープネス調整やその他補正をした結果です。
購入時の試写ではJPEG撮って出し画像の確認だけで判断したことがいけなかったのでしょうね。
当時はLightroomも使っていなかったこともありますし。
レンズ単体での使用に比べ確かにノイズは多くなりますが、きちんとAFが決まると像がぼやけるといった感じはなくしっかりと羽毛も解像しました。
ただし手持ちのせいか、微ブレによる像の甘さが出たり、光量不足による対象のコントラストが十分でない場合はきれいに合焦しませんので、結果的に歩留まりは悪くなります。
これは距離が開けば開くほど顕著になるので、あくまで近距離での使用が前提ということでしょう。
ただし数日前鹿の群れに遭遇した際、この組み合わせで40〜50mの距離で撮影してみましたが、30数カットのうち1枚だけ十分に満足できる解像感のあるカットが得られました。
背景のボケ感やレンズの明るさの点ではEF500mmには敵いませんが、条件さえ揃えば解像の点では引けを取らないEF100-400mm+EXTENDER EF1.4×IIIの組み合わせ。
今後もその軽さを活かして積極的に使ってみたいと思います。
P.S
EF100-400mm+EXTENDER EF1.4×IIIの組み合わせで注意しなければならない点として、測距エリアの切り替えがあります。
EOS7DmarkⅡの場合、EF100-400mm単体使用では通常7種類のモードが選べますが、EXTENDER EF1.4×IIIを挟むと「スポット1点AF」「1点AF」「領域拡大AF」の3種類に限定され、AFフレームの移動もできません。
なので止まりものの近距離撮影では「親指AF」に設定してあれば、AFを固定して構図をずらして撮影すればそれほど不自由は感じませんが、動きものや飛翔撮影になると「ゾーンAF」や「ラージゾーンAF」に設定しないとまず撮影できないので、この点だけは不自由を感じます。要注意点ですね。
EXTENDER EF1.4×III使用の画像。これを見て意外に行けるんではないかな?と思った次第。
その30%トリミング画像。羽毛の解像がよくわかります。
前後に枝葉があっても瞳にピントが合えばこの通り。
30%トリミング画像。しっかり解像しますね。とはいえヤマガラは解像しやすい鳥ですが。
餌台とゴジュウカラ。餌台はDIYで作ったオリジナルです。
30%トリミング画像。表情もしっかりと捉えていますね。
動きの速いゴジュウカラは撮影の難しい鳥ですが。
30%トリミング画像。こちらを伺った瞬間を捉えました。EOS7DmarkⅡは最近のミラーレス機に比べノイズが乗りやすく、階調の滑らかさでは負けますね。
鹿の群れ。なんとかAFが決まった一枚。
30%トリミング画像。撮影距離の割にはしっかり解像しました。