鳥撮りの世界でも撮影機材の技術革新は日進月歩で、特にカメラはミラーレス化が進み、当事務所の主要機材のひとつのCanon機も世間ではRシリーズへの世代交代が始まっているようです。
EOSRから始まり、R5以降はR3、R7、R10と立て続けに発売されましたが、この夏発売のR7は特に人気が高く、生産が追いつかないため、現時点でも二ヶ月待ちと、その人気振りが伺えます。
APS-C、3250万画像、現在Canonのミラーレス機で最高峰のR3譲りのフォーカス性能、20万円を大きく切るコスパの良さ、とくれば自ずと手が出てしまうのは無理からぬことでしょう。
合わせてCanonの場合、ミラーレスのRシリーズからレンズも新設計のRFレンズが開発され、マウント形状も変更されたので少々ややこしい状況となってきました。
従来の主力レンズであるEFシリーズも純正マウントアダプターを装着すれば機能低下無く使えるとのことなので、いわゆるレンズ資産を無駄にすることはないのですが、近い将来EFレンズの生産は終了し、サポートも終わってゆくでしょうから、複雑な思いは残ります。
他メーカーも含め時代は確実にミラーレス機へと移り変わってゆく中、鳥撮りの世界も機材の進歩のおかげか、もはやアマチュアとは言えない玄人はだしが乱立し、群雄割拠、下克上の時代の様相を呈するようになってきたとも言えるでしょう。
と言いつつも、当事務所の野鳥撮影はまだ緒に就いたばかり。
世間の盛況と混沌とは一線を画し、旧モデルのレフ機と中古EFレンズで後塵を拝しながら頑張って参りたいと思います。(前置きが長くなりましたが、これが言いたかっただけです。笑)
そしてこの度当事務所の中古EFレンズに新たな仲間が加わりました。
加わるといっても既存レンズはEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM一本のみなので二本になっただけですが...。
EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMは昨年末に中古美品で購入し、9ヶ月間メインレンズとして使ってきましたが、その描写性能、AFの速さと精度、ズームゆえの被写体を選ばない融通性、携帯性など非常に満足度の高いレンズです。
強いて言えば撮れた画像の精細感、解像感の物足りなさですが、これはむしろ今組み合わせているレフ機の7DMarkⅡの性能が画質を落としている感があり、カメラをより高性能なものに替えれば、これ一本で十分なのかもしれません。
あとは×1.4のエクステンダーを挟んだ場合の画質劣化がちょっと許容できないレベルなのが残念なところです。
そんな経緯から今回EF500mm F4L IS USMを導入してみました。
導入というのも大げさですが、EF500mm F4L IS USMはすでに生産終了している旧モデルで、後継モデルのEF500mm F4L IS II USMも生産終了となった今、完全に老朽機の部類に入りますね。
EF500mm F4L IS II USMと違い、メーカー修理サービスも終了し、民間の修理サービス会社でも部品供給がないことを理由に修理を受け付けないとのことなので、故障すればそのままスクラップになるリスクはありますが、EF500mm F4L IS II USMの中古相場が¥800,000前後となれば、そちらにはおいそれとは手が出ません。
その点中古相場¥300,000前後でそこそこの出物があるEF500mm F4L IS USMは「庶民の強い味方」なわけです。
今回はカメラのキタムラでまずまずのコンディションのものをネット予約。
店頭でコンディション、動作確認の上購入しました。
時代に逆行していると言われればそれまでですが、次回はR1とRF600mm F4 L IS USMあたりへの乗り換えになるでしょうから(?)、R3やEF500mm F4L IS II USMなどの中途半端な買い物は無駄、というのは完全に負け惜しみです。
まだ本格的な撮影はできていませんが、期待に違わぬ性能を発揮してくれることを祈るばかりです。
購入品は本体とフード、リアキャップのみ。ケース、袋状のフロントレンズキャップは含まれていませんでした。装着してあるネオプレーンのカバーは「OP/TECH オプテック フードハットXXラージ」で、Amazonで購入。¥1,809と格安です。純正のフロントレンズキャップ E-163はすでに廃盤でメーカーや専門店には在庫がなく、中古品でもオークションサイトにすら見当たりません。後継機のEF500mm F4L IS II USM用のE-163Bは新品販売がされていますが、口径が同じでも、色んなサイトを見てもマッチングは確認できませんした。
カバーを外したところ。この内容でプチプチの緩衝材に包まれて入荷していました。前玉にはダンボール製の保護カバーが輪ゴムで止めてありましたが。
フードの脱着で一番擦れや当たりが出る箇所ですが、比較的綺麗です。ゴム類の白化も見られません。
ロゴプレートも無傷。
ドロップインフィルター周辺も綺麗ですね。
マウント部。擦れや傷も目立ちません。製造年記号から2005年11月19日に宇都宮工場で生産されたことが推察されます。合っていれば17年前ということになりますね。愛車のレガシー・アウトバックも同年生産で未だ快調なので、このレンズにも期待したいところです。
フォーカス関係やスタビライザーのモードスイッチ類とストラップ固定金具。携帯する際にピークデザインのストラップ、スライドを装着するためのアンカーを取り付けました。ストラップは通常カメラ本体に取り付けていますが、EF500mmぐらいになるとレンズ重量でマウント部分に負荷がかかり、実際に折れたケースもあるようなので、万が一の落下にも備えレンズ本体への装着がベストだと思います。
三脚座もほぼ無傷。以前の所有者は手持ち撮影オンリーだったんでしょうか。
フードも綺麗です。
ゴム部分も目立った傷はここだけ。
光学系もカビやクモリはありません。
前玉。傷などはなく綺麗ですが光線の加減では微小なホコリは全面に確認できます。この機種はEF500mm F4L IS II USMと違い最前面に保護ガラスが入っていると聞きました。
カメラとフードを装着した状態。長いです。この状態で約4.8kg。手持ちで振り回すためには筋トレが必須です(中高年にはまず無理でしょうね)。因みに本体重量は3.87kg。後継機のEF500mm F4L IS II USMが3.19kgなので約700g差は痛いです。
EF100-400mmと比較してみました。フード部分がかなりの長さを占めているとはいえ、本体だけでも倍近くあります。EF500mmにはエクステンダーEF1.4×Ⅲを付けています。このままでは撮影現場で目立ち過ぎることと、傷になりやすいので、迷彩保護カバーを注文済みですが、取り寄せに時間がかかりそうです。