野生の鹿をかなりの頻度で見ることができるスポットがあります。
県道脇の牧草地は駐車帯もあり、牧草地との境には金網のフェンスも設置されているので、鹿達も一定の距離感で草を喰むことができるようです。
ただしさすがに野生の生き物。そう簡単には寄ってくることはなく、多くのギャラリーはかなり遠くにその群れを見ることがほとんど。
スマホやコンデジでは彼方の点にしか映らないでしょう。
スマホよりはかなりマシな例の300mm望遠レンズと一眼レフ機で狙ってもしっかりと解像した写真は中々撮らせてもらえません。
ただしこの日は違っていました。
駐車帯にも車は皆無。鹿達の姿もちらほらで、こちらが車を停めると殆どの群れは森に消えてしまいましたが、なぜか一頭はその場を去りません。
こちらも車内から脅かさないように慎重にカメラを向け、数枚を連写。
その後辛抱強く待ち続けると、鹿も警戒を緩めたのか徐々にこちらに近づいてきました。
よほど食べ易い草の分布がこちら側にあったのか、あるいは見慣れぬ生き物に興味を抱いたのか。
光の条件も、牧草の伸び具合もまさに理想的な環境で10分以上は至福の時間を過ごしました。
その後無粋な車が乗り付け、カップルが自撮り棒持参で降り立つまで、この場所で撮影を始めてから最接近できた写真をかなりものにできました。
運も腕のうちと言いますが今回はまさにそんな出会いのひと時でした。