悪沢岳からは少し植生も変わり、チョウノスケソウやチングルマが路縁を彩ります。 中岳との鞍部へ至る急路を下り、中岳避難小屋へ。 その途中でとうとう降り出しました。
天候のこともあり、中岳、前岳は写真撮影のみで通過。 一路荒川小屋を目指します。 今回の縦走の中でもこの中岳から前岳にかけての斜面は氷河期に作られたカール地形。 高山植物の宝庫でもあります。 種類からいえば千枚岳の方が豊富かもしれませんが、規模ではこちらの方が数段上。 一面の花畑の中を電光型に下る登山路はまさに楽園の中を歩く心地。 シナノキンバイとハクサンイチゲが混交する中に黒百合やハクサンチドリ、アオノツガザクラ、ショウジョウバカマなどがちりばめられて、見飽きることがありません。 中に一株、ツガザクラとアオノツガザクラの交雑種コツガザクラも見ることが出来ました。
オオヒョウタンボクやタカネヤハズハハコが足下を彩るトラバース道を雨に濡れながら辿るとようやく霧の中から荒川小屋の赤い屋根が霞みながら現れました。 今日は少しは安眠出来るかな…。
翌日も雨具着用で出発。 大聖寺平までは晴れ間も覗き、振り返れば昨日越えてきた悪沢から前岳の峰が雲間から姿を見せてくれました。 その後小赤石への登り途中で再び雨、どうして赤石って中々晴れないんだろう。 赤石山頂で記念撮影後、赤石避難小屋で暫し休憩。\n熊五郎さんとちえこさんの名コンビに暖かくもてなされ、いい気持ちで下山に掛かりました。 赤石沢の斜面では雨に濡れた黒百合がひと際妖艶だったな…。
翌朝は快晴。 ようやく全貌を見せてくれたモルゲンロートに染まる赤石岳は苦労の多かった今回の縦走をねぎらうかのように神々しく輝いていました。 ご参加いただいた皆様、本当ににお疲れさまでした。
アオノツガザクラ。八ヶ岳には無い花なので、しっかり撮影しました。
前岳斜面のお花畑。広大、華麗、まさに楽園。
タカネヤハズハハコ。別名タカネウスユキソウ。これほど優しい花も珍しい。
大聖寺平にて。荒川三山をバックに。
祝登頂。
これが日本一高い一等三角点。
雨に揺れるミヤマクロユリ。黒い花は心を惑わせます。
有終の美を飾ってくれた朝焼けの赤石岳。最後に見ることが出来て本当に良かった。
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