今日は梅雨前線が活発化し、山麓も風雨の激しい一日の始まりです。
予定されていた学校登山も中止となったので、久し振りに山の便りを書くことにしました。
家の周囲では今スイカズラが盛んに咲いています。
道路脇の土手に生える低木やフェンスなどに絡み付いて半ば雑草化したこの蔓性の木も私が子供の頃にはあまり見かけなかった記憶があります。
いつからはびこり出したのか、これも温暖化の現れでしょうか。
別名「金銀花」といわれることは良く知られていますが、実際には白花から淡黄色に変化するので、白花と黄花が別々に咲いているようにも見えます。
よく見るととてもいい花です。
この時期はまた紫陽花型の花も良く見かけるます。
本家のガクアジサイやいわゆるアジサイ、山の花ではヤブデマリやカンボク、ヤマアジサイ、コアジサイなど。
アジサイの仲間は大きく分けて二つの科に分かれ、ユキノシタ科ともう一つがこのスイカズラ科です。
本家筋はユキノシタ科が多くスイカズラ科には上記のヤブデマリ、カンボク以外にオオカメノキやガマズミの仲間があります。花形は違いますが、ツクバネウツギの仲間やニワトコもスイカズラ科になります。
雨には白花や青花がよく似合いますが、近くに咲くノイバラやコアジサイは撮り逃してしまいました。
まだ高地に上がれば少しは咲き残っているでしょうか。
ノイバラいわゆる「野バラ」は堀辰雄の「美しい村」に印象的な素材として使われていることで好きになった経緯のある花ですが、意外に花期が短く、すぐに雄しべが枯れてしまうので、撮影には苦労する花の一つです。
近くの飯盛山では丁度ニッコウキスゲも最盛期を過ぎた辺り。
日光や車山などでは深刻な鹿害によって群落が消えかかっているこの花もここではまだ健在です。
これらの雨が似合う花々も中々じっくり向き合うこと無く次々花期が終わってゆきます。
気がつけばいつも季節は先に行き、乗り遅れることが多くなった気がするのもこんな天気の日の感傷でしょうか。
ニッコウキスゲが終わればやがてマツムシソウが咲き出します。
スイカズラの花。朝露に濡れて瑞々しい。漢名では忍冬とも。
こちらはカンボク。白い装飾花が美しい。中心にある両性花はやがて朱色の実に変わる。