浅間山麓、黒斑山のガイドが続きました。 それぞれ晴天に恵まれたのは良かったのですが、まれに見る猛暑は標高2,000mを越えてもそれなりの暑さをもたらします。 車坂峠からの2時間半は休憩できる日陰を選びながらの登高となりました。
それにしてもこの時期の黒斑周辺は花がいいですね。 草本類、木本類とも種類も豊富でつらい登りを飽きさせません。 火山灰地に適応するクロマメノキ、クロウスゴ、シラタマノキ、コケモモのツツジ四兄弟は林床をシックに飾り、ニッコウキスゲ、ヤマブキショウマ、コキンレイカは最盛期。マツムシソウ、クルマユリ、ツリガネニンジン、イワインチンはこれからといった具合でした。 やはり林床のゴゼンタチバナが他で見るものより花が大きいのが印象的です。
そしてこの山麓といえば何といっても希少種のグンバイヅルとシャジクソウ。 こちらも丁度見頃でした。
途中の礫地にあるコマクサの群落も見事です。
やがて外輪山である黒斑山の緩斜面を登りきると、突然視界が開けます。 断裂した火口壁越しに現れる浅間本体の姿はやはり圧巻。
苦労が報われる瞬間ですね。 最も展望の良い「遠見の頭」からは心ゆくまで浅間山と眼下に広がる湯の平高原の眺望を楽しんでいただきました。 この「湯の平高原」と呼ばれる凹地、アラスカフリークのガイド仲間に言わせると、まさにアラスカの一部をスケールダウンしたような景色で、素晴らしいと大絶賛の場所でもあります。
ここまでくれば山頂は後わずか。 山頂標識を前に記念撮影に興ずる皆さんの笑顔もこころなしか満足げに見えました。
シャジクソウ。葉のつき方が名の由来。
ゴゼンタチバナも見事。
浅間山に雲の影が映えます。
湯の平高原。アラスカに見えますか?
下山路から黒斑山を振り返る。