一昨日は再び北八ヶ岳へ。
柳の下の二匹目のドジョウ狙いでしたが、目当てのホシガラスは空振り。
転戦して霧ヶ峰で終盤となったノビタキを観察しました。
駐車場に着いて支度を整え、遊歩道を歩き始めても鳥の気配は皆無。
普段なら入り口付近で群れている幼鳥たちも姿を見せません。
既に山を降りて山麓の保養地で渡りの準備でもしているのでしょうか。
草原を彩っていた野草たちもすっかり枯れ果てて、ところどころヤナギランの綿毛が西日に照らされ白く輝くばかりです。
それでもウォーキングだけでもと、これまで歩いてきた範囲を超えて車山方面へと足を伸ばすことにしました。
歩き始めてしばらくすると、いきなりノビタキのメスが20mぐらい先のヤナギランの穂先に止まりました。
画的には最高の条件でしたが、いかにせん距離があり過ぎます。
そっと足音を消して数歩近づいた瞬間、飛ばれてしまいました。
毎度のことですが、こんな時はもう少し長玉があればと悔やまれます。
そこからは鳥の気配もなくウォーキングに専念。
一度だけ少し先をノビタキらしき鳥影が横切りましたが、それきり。
かなり進んで車山が展望できる丘まで登ってみました。
すると10mほど離れた安山岩の上に冬羽に換羽したオスのノビタキが舞い降りました。
シャッターチャンスですが、またしても距離が遠い。
しかし今回は証拠写真だけでもと構わず撮影。
と、なぜかこの個体、一向に立ち去る気配がありません。
縄張りの監視中なのか、示威行動か分かりませんが、動じる気配なし。
それをいいことに少しづつ距離を詰めてみました。
完璧とはいきませんが、7Dmark2の能力としてはまずまずの解像が得られる距離での撮影ができたタイミングでさすがに飛んでいきましたが、今回はこれで満足です。
近くにあった大きな岩の上に腰掛けしばし休憩。
すっかり傾いた西日が草原を覆うススキの穂を輝かせ、微風が心地よいひと時でした。
時間も16時近くなのでここから戻ることにしました。
相変わらず西日に照らされる斜面は暑いくらい。
夏に何度かノビタキやホオアカと戯れた場所を通過し、駐車場が見えるところまでくると、飛び去る鳥影が多数。
再び足が止まります。
だいたい20mぐらいの範囲ですが、数羽が盛んに飛び回ったり、ウドやヤナギラン、レンゲツツジの枯れ枝に止まったり、大盛況となりました。
霧ヶ峰が与えてくれた最後の恵みかな、と思いながら今回は持久戦と腹を括りました。
作家の開高健のアラスカでのキングサーモン釣りの紀行文の中に「河の中の一本の杭と化す」といった文章がありますが、その心境で微動だにせず鳥たちの寄るのを待つ作戦です。
30分もそうしていると比較的近くにあるウドの穂にメスのノビタキがやって来て盛んに熟した実を啄ばみはじめました。その後オスも飛来。メスを追い払いその穂を独占です。
すかさず連写開始。
距離的にはまだ遠く、西日の光線がハイコントラストとなって白飛び必至ですが、まずまずの写真を得るとこができました。
標高1700mの高原はすっかり秋色に変わりました。
もう一度夏鳥のノビタキたちと遊べる機会はあるのでしょうか。
※画像は表記のあるもの以外はノートリミング、野鳥の写真のみRAW現像済み
使用機材:Canon EOS 7D Mark II + Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
麦草峠に咲いていたオヤマリンドウ。花が開きそうなのはめずらしい。
前回の撮影地で。幸先よく着いた途端に現れてくれた個体だったが、この水飲みのシーン以外は現れず。一時間待ったが、コントラストが強く出過ぎるあまりの天気の良さに撤退を決めた。
待機場所に落ちていたチョウセンゴヨウの松笠。食べかけなので貯食中のものか。
こんな感じで鱗片を剥いだのち硬い殻を割って中の松の実(胚乳)だけを食べる。
ナナカマドの実が色づいていた。
駐車場に戻る途中で遭遇したルリビタキ。メス成鳥かオス若のようだが断定はできない。オス成鳥も現れたが、条件が悪く合焦せず残念。70%トリミング。
霧ヶ峰に移動後、まずまずの距離で撮れたオスのノビタキ。頭部を見ると換羽が終わっているのが分かる。70%トリミング。
すっかり綿毛になったヤナギラン。逆光に映えて綺麗だ。
戻る途中で最初に撮影できたメスの個体。
なんとか10mぐらいまで寄ってくれたメス。盛んにウドの実を啄ばんでいた。
そこへオスが割り込み横取り。しきりにこちらを伺う。
最後にメスが見送ってくれた。70%トリミング。