YouTubeで取り上げられていた一石栃立場茶屋に到着。
コミュ障とてすぐ手前の白木改番所跡のベンチテーブルで昼食とする。
利用者も無く、ここの方が日が当たって暖かく快適だ。
昼食を終え、腰を上げた頃に馬籠方面から数組の外国人ハイカーがやってきた。
この日は管理人さんも外作業のためか、みんな中には入らずに縁側で休んでいる。
こちらに注意を向ける人もいないので、ここでは特に挨拶を交わすこともせず横を通り過ぎた。
ここからは僅かの行程で馬籠峠着。
ようやく登りが終わる。
とはいえ登山に比べれば楽な歩きだ。なぜ大方のハイカーが馬籠からのコースを選ぶのかが不思議である。
下りが多い方が多少は楽、ということか。
峠からはあまり見るものも無いので馬籠までゆっくりと下った。
ただし「峠」の集落には「夜明け前」にも登場する峠のお頭を顕彰する「峠之御頭頌徳碑」があって興味深い。帰ってから調べると藤村の実兄で妻籠宿の最後の当主となった島崎広助が峠のお頭今井仁兵衛を讃えて建立したものだそうだ。
なぜかこの区間はアジア系の観光客が多った。
馬籠には途中ショートカットのつもりで横に逸れた水路脇の歩道を辿ったので、宿場の入り口を見逃し、街道と並行する側道から途中復帰。
丁度トイレのある案内所の場所に出たので、戻りのバスの時間を確認して目の前の藤村記念館に向かった。
この時点で13時20分。妻籠を出てからここまで3時間以上を要したわけだ。
藤村記念館も記憶は朧だが、こんな感じだったかな、といったところ。
ただし入り口付近の回廊状の建物の展示が随分と貧弱に感じられた。
やはり当時の建物が現存する祖父母(「夜明け前」では吉左衛門夫婦)の隠居所が一番の見所かもしれない。
それでも前回は時間の関係で回らなかった、企画展示室と常設展示室もゆっくりと見ることができた。
さすがにここは日本人の訪問者が多かったが、一組の若い欧米系のカップルが熱心に展示を見ている光景が印象に残った。女性は中々の美人である。
記念館を出たあと宿場を一往復してみたが、冬季の平日とあってか休業している店舗が多く、珈琲一杯も飲めなかった。
15時4分のバスで妻籠まで戻る。
ツアーで来たらしい観光客はそれなりの人数が歩いていた馬籠だったが、帰途の路線バスの乗客は小生のみ。
寡黙な運転手と二人、寂しく妻籠に戻った。
妻籠の通りには午前と違いそれなりの人数が歩いているが、混雑するというほどでもなく。
木曽に来たら食べたいと思っていた五平餅を買って食べ歩きながら車に戻った。
(正直五平餅は一昨年オシドリ撮影で訪れた設楽町の道の駅で売っていたものの方が大きく、香ばしく、美味かった)
日本人のほとんどいない木曽の中山道。
古道の魅力が外国人にしかわからないという現実に嘆かわしさを感ずるのか、その魅力に気づいた外国人を褒めるべきか。
そんな複雑な思いで陽の傾いたこの地を後にした。

「中山道一石栃口」と刻まれた道標。

今回一番雪の残っていた区間。凍結して滑りやすく気を遣う。

「一石栃白木改番所」跡に立つ休憩舎。手前の朽ちたベンチテーブルで昼食をとった。

「立場茶屋」縁側に数人の外国人ハイカーが座っている。冬季とあってさすがに人は少ない。

こういった仕掛けも外国人旅行者を意識したものか。

ようやく峠に到着。展望はほとんどなかった。

ここからは中津川市。以前田中康夫知事の頃に平成の大合併で県境を跨ぐ形で馬籠が中津川市に編入された騒動があったことなど思い出す。

峠を越えればすぐかと思ったが、まだ2kmもある。

ここでもスリーセブン標識である。

「峠」の集落はリアルな生活感に満ちていた。

「峠之御頭頌徳碑」。

廃屋も目立つ。

暑い盛りには飲んでみたくもなるね。

途中で出会った不思議な老人。すれ違いざま「あなたはカメラマンですか?⤴︎」と尻上がりのアクセントで聞かれ、「違います」と答えたら、「ああ、日本の方...」と言われてしまった。「No!」とでも答えればよかったのか...。少し手前に庭一面に彫刻作品が置かれた家があったけれど、もしかしたらそこの主人だったかもしれない。白髭、長髪の仙人みたいな方だった。

道端の竹林には踏み込んだ足跡が一面に。和のテイストということなんだろう。

途中から用水路脇の細道を行く。水平道なので歩きやすいが、馬籠入り口の高札場へ出るにはここを選んではだめ。

途中からは恵那山がきれいに見えた。この山に登ったのは13年前の一度きり。

藤村記念館内の現存する本陣の隠居所。奥には蔵もある。

馬籠の坂道から中津川方面を展望。

枡形。馬籠の街並みが明治と大正の大火で焼失した際、石畳とともに唯一残った遺構だという。

ここでもナンテンが彩りを添える。

神坂峠から富士見台にかけての連嶺だと思う。富士見台も13年前の夏にササユリを見に行った懐かしい場所だ。

帰りに使ったバスも乗客は一人だけ。(スマホ撮影)

寡黙な運転手さん、ありがとうございました。

妻籠で出会った唯一の美人。
