葡萄が実りました。私にとってはまさに快挙とも言える出来事。
8年前、標高1,260mの土地に200本のワイン醸造用品種の葡萄を植えました。
最初の3年ぐらいは品種によっては何とか成長し、期待も高まったのも束の間、冬期間の低温と乾燥、そして管理不足もあったのでしょう、徐々に翌春に萌芽しなくなる樹が増え始め、とうとう一昨年には全て枯死してしまいました。
それでもあきらめ切れず、昨年品種を替えて4種類10本づつ、計40本の苗を購入し、再チャレンジしてみましたが、結果はまたもや失敗。とにかく成長しないのです。
ところがそんなこともあろうかと各種10本のうち1本だけを借地している菜園の脇に植えてみたのです。
そこは標高950m。たかが300m、されど300m、これが見事に土地と気候に適応したのでした。
たった4本ですが、昨年からすぐに成長を始め、今年は見事に育って立派な実をつけてくれました。
最も適地とされている栽培地よりも2週間も萌芽が遅く、開花も梅雨の最中だったにもかかわらず、9月上旬に熟期が訪れるとはよもや思いませんでした。
たった4本の、たった十数房の葡萄ですが、思い描くビジョンへの貴重な一歩を予感させてくれるまさに恩寵とも言うべき結実でした。

写真はまだベレーゾン期のツバイゲルトレーベ。
