シギは縁の薄い鳥でした。
これまで八ヶ岳周辺のシギ類といえば「ヤマシギ」「オオジシギ」ぐらいしかイメージがなく、それらも実際に見たことはありません。
野鳥撮影を始めてから参考にしている何人かの近隣バーダーのブログ記事でもアオシギぐらいしか目にしたこともなく、縁遠い鳥種の一つとなっていました。
ところが昨年諏訪湖でタシギに出会い、シギの魅力に開眼。
その後縁が薄い状態が続きましたが、今月初めに何気なく立ち寄った松原湖でアカエリヒレアシシギ(多分)に遭遇。
そして先日ノビタキに振られた霧ヶ峰の後に立ち寄った諏訪湖でトウネンとウズラシギ(多分)に出会い、急激に親しさを増しました。
いわゆる「シギチ(シギ・千鳥の類)」は見分けが難しいとされていますが、実際に見てもまさにそんな印象です。
またシギに関しては多くが渡り途中の旅鳥であることも遭遇の確率を少なくしているわけですが、先日の猛暑の諏訪湖でも、めげずに探鳥したことが貴重な出会いを演出してくれました。
チュウシャクシギ、ダイシャクシギ、ホウロクシギ、キョウジョシギ、セイタカシギ、タマシギなど名前だけ知っている水辺のシギたちにも、機会があったらぜひ出会いたいものです。

偶然松原湖で遭遇したアカエリヒレアシシギ(?)。

腹面は真っ白でした。肉眼ではただ「白い鳥の群れ」としか認識できません。最短撮影距離で50m前後あったので、100-400mmのテレ端でもこのサイズです。

30羽ほどが水面に浮かんではまた一斉に群飛行動を繰り返していました。渡りの途中の立ち寄りだったんでしょうかね。

その部分拡大画像。オシドリが近くを泳いでました。クチバシの色からするとエクリプスのオスのようです。30%トリミング。

盛んに群飛を繰り返します。初めはミユビシギかとも思いましたが。

その部分拡大画像。これでアカエリヒレアシシギと推定しました。かなりの個体が既に冬羽に換羽しているように見えます。30%トリミング。

気温36℃の諏訪湖畔。流れ込みの浅瀬で採餌するトウネン(?)です。調べると普通はそれなりの規模の群れで行動するようですが、見える範囲には一羽しか見当たりませんでした。

諏訪湖は湖岸からかなりの範囲が水草と藻に覆われ、観光船やボート競技、漁船などにとって深刻な障害となっているようですが、浅瀬でも表面は薄く藻に覆われていました。撤去には膨大な労力と経費が掛かるそうで、このまま季節が進んでそれらが自然に湖底に沈むのを待つしかないとのことですが、水面を広範囲に覆う水草は酸素供給を断ち、水中の生物に大きな影響を及ぼすことも懸念されます。

トウネンのアップ。サイズはスズメ大とのことですが、確かに注視していないと気が付かないほど小さく感じました。挙動が敏捷で忙しなく、SS1/1600ぐらいでもブレ写真量産でした。岸近くに座り込んで撮っていると、500mmレンズの最短撮影距離を大幅に下回る2mぐらいまで近づいてきました。30%トリミング。

夢中でトウネンを撮っていると、いつの間にか近くに別のシギが来ていました。トウネンよりもだいぶ大きなサイズです。検索した範囲ではトウネンの15cmに比べ5cmほど大きいだけのようですが、倍はありそうに見えました。帰って調べた結果、ウズラシギという結論になりましたが、果たして正解でしょうか?幼鳥のようなので、少し大きいアメリカウズラシギという可能性もあります。

大きいので撮り易いかと思いきや、この鳥も非常に忙しく動き回るのでAFを合わせるのも一苦労。晴天下のSS1/1200〜1/1600でもブレることがあるんですね。またこの日は撮影が炎天下の昼前後ということもあって、大気の揺らぎの影響をもろに感じました。

いずれにせよ2種類のシギが臆せず目の前を歩き回るので興奮も最高潮。珍しくセレクトと編集が大変になるほどシャッターを切りました。

つぶらな瞳。幼鳥のようですが、なかなかいい顔をしています。30%トリミング。