EF500mmを使うようになって、至近距離での撮影が可能の場合、野鳥でも頭部のクローズアップに耐える写真が撮れるようになりました。
EF500mmの場合、最短撮影距離が4.5mなので、至近距離と言えるのは被写体まで10m以内といったところですが、対象となる野鳥が大きくなればなるほどディティールの再現性が高まります。
今回猛禽の仲間であるトビとノスリが比較的近くで撮影できたので他の野鳥のものも含め頭部を切り出して見ました。
遠目ではわからない思わぬ表情に驚かされ、認識を新たにする機会となりました。
ノスリの目の色、目からウロコです。
※画像は全てトリミング、RAW現像済み
使用機材:Canon EOS 7D Mark II + Canon EF500mm F4 IS USM
ノスリの目。虹彩がシナモンブラウンだったとは。遠目で見たり、光の加減で黒目がちに見えるのが普通だったのでこんなに厳しい印象の瞳だとは知りませんでした。
ほぼ正面から。目と目の間隔が広いので若く見えますね。こういった擬人化は良くないのですが、率直な印象。イケメン若手俳優といった感じです。
こちらはトビ。猛禽らしいいい表情です。光線の加減もありますが、目は濃い茶色なので虹彩は目立ちません。首回りの羽模様が綺麗です。
これもいい表情ですね。こちらは老練なベテラン俳優といったところか。トビは数が多く、あまりにありふれていることと、狩りをするよりも屍肉を漁ったり、人間の弁当など失敬したりするなどの悪行がネガティブな印象を与えてしまいますが、こうやってみると本当に素晴らしい猛禽ですね。
キジバトは意外に神経質で、普段なかなか寄れませんが、このキジバトは近づいても枝の上で悠々と膨らんでいました。目の周りの皮膚が赤紫色。虹彩はバーミリオンです。
オスのシメ。春になり、クチバシが銀化してきました。シメといえばこの歌舞伎役者のような隈取りが特徴ですが、特にオスは頭部のクリームから明るい栗色にかけてのグラデーションと美しいコントラストを見せてくれます。シメは羽毛が緻密で、質感も滑らかなのですが、非常によく解像する野鳥カメラマンにとっては優等生です。
こちらはメス。オスと比べれば地味に見えますが、このサンドベージュの色合いがとてもシックで好きな鳥です。喧嘩でもオスに負けていませんよ。
イカルです。雌雄同色なのでオスメスの判別はできません。シメなどより体が一回り大きく、濃紺の頭と羽、体色のグレーが織りなす色彩はなんとも言えない美しさです。ただこの鳥はカメラマン泣かせ。顔が黒いので同化してしまい、暗赤色の目がうまく出せません。目にフォーカスを合わせようとしても、AFも判別が難しいのか、外すことの多い鳥の一つです。これは全ての野鳥撮影に言えることですが、目に光を入れるアングルや角度を工夫するのが重要ですが、これがなかなか思うようにいかないので苦労が絶えないわけです。