台風は大雨と強風をともなって北上し、未明に八ヶ岳の山麓を水浸しにして通過していった。
この秋は、まさに雨、雨、雨。それも週末にかけて大降りに降って、各地のイベントや登山の予定をことごとく台無しにしてくれた。こんな年も珍しいと思う。山はもちろん、畑仕事も家の修繕も全ての計画は先に延びて、体調管理にも影響を及ぼす。
それでもやるべきことはやらなければならない。
雨の合間をみては八ヶ岳に出かける。主に樹林での風景撮影が目的なのだが、どちらかといえば苔に目を奪われがちで、遅々として歩みがはかどらないのには閉口する。
18日には渋の湯から黒百合平経由で東天狗、西天狗、唐沢鉱泉と周遊したけれど、冬期以外には久し振りの訪問だったので特に西天狗以遠は記憶をたどりながらの新鮮な歩きを楽しんだ。
初見参の唐沢鉱泉から渋の湯にかけてのトラバースは密かに取っておきたい程の素敵な道。
光差すイワダレゴケのマットにオガラバナが散り敷いて。
キゴケだろうか。水から上がった珊瑚といったところ。
シラビソの密林に恩寵が差し込む。
こんな光景には何も言うことはない。
カリブーモス。
苦手な人もいるだろうね。ピンクの子器がきれいなセンニンゴケ。
天狗の奥庭からは穂高連峰がくっきりと遠望できた。今年もあそこ歩いたんだな。
西天狗からの箕冠山と根石山荘。奥には赤岳と阿弥陀。素晴らしい色だ。