明けましておめでとうございます。
八ヶ岳山麓の元旦は北岳の素晴らしいモルゲンロートと菫色の富士山、そして金峰山方面から差し込む眩しいほどのご来光で明けました。
2025年の穏やかな一年の始まりです。
昨年は年頭から災害に明け、その後も異常なほどの猛暑が秋まで続き、その間にも台風や異常気象による水害なども頻発して、特に一部の地域には甚大な被害を及ぼしました。
世界に目を向けてもこれまでに類を見ないほどの災害が各地で発生して、それらのほとんどが水害という異常な様相を呈しました。
気候変動、地球沸騰化は予想以上の速さで進行しています。
異様な物価高も生活には深刻な影響を与えていますが、それらも含め、2025年は政治への関わり、生活様式の見直し、自然へのアプローチの仕方、全てを見直す年にしなければならないと思います。
昨年は家庭の事情もあり、頻繁に撮影行に出掛けられる環境にはありませんでしたが、夏の草原でノビタキとニッコウキスゲのコラボの撮影に成功したり、シジュウカラの営巣シーンを見られたり、撮影上のライファーとしては渓流のオシドリや自宅近くでのアオゲラと年末のカワセミが追加できたり、それなりに収穫のあった年でした。また鉄道写真の分野の裾野を少しだけ広げられたことも成果の一つです。
今年も状況的にはさほど変わりはないかとも思いますが、できれば花のいい時期に八ヶ岳の稜線まで足を伸ばして、高山植物の撮り直しができればと思っています。
また時間に余裕があればどこか雷鳥の住むエリアでじっくりとその姿をカメラに収めてみたいものです。
新年最初の投稿は年末に少し時間が取れたので、諏訪から安曇野方面を二泊三日で回った際の写真でスタートです。
ぜひご覧ください。
※画像は記載のないものは全てノートリミング。RAW現像済み
使用機材:Canon EOS 7D Mark II +Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
Canon EOS 7D Mark II +Canon EF500mm F4L IS USM(×1.4Ⅲ)

初日は少し遅いスタートだったので、まずはオオマシコの渡って来る林道へ向かいました。ちょうどこの日から林道も閉鎖になるということでしたが、ゲートは開いていて通過してゆく車もあります。
それでも途中で閉められたらいけないので、ゲート前に駐車。ただしこの時点で3台ぐらいしか止まっておらず、地元車も少ないので、あまり鳥が入っていないんだなとの予感はありました。
結果は予想通りで、オオマシコもイスカも影も見えず、ルリビタキのオスが遠くに一羽だけ姿を表したほかは、カラの類が群れで彷徨っているだけでした。
仕方ないので諏訪湖に戻り、水門近くに来ていたミコアイサを中心に少し粘ってみました。(EF500mm F4L IS USM×1.4Ⅲ)

ミコアイサは好きな鳥なのですが、警戒心が異常に強く、なかなか近距離で撮らせてくれません。今回は岸近くに陣取って近づくのを待つ作戦。高齢男性がカメラ抱えて岸辺に蹲っているのは、土手上を走る車からは丸見えで、師走の寒空の下、さぞかし悲壮感漂う光景だったことでしょう。50%トリミング。(EF500mm F4L IS USM×1.4Ⅲ)

ミコアイサのメスはどこか焦点が定まらず、オス以上に撮影が難しいのですが、今回は羽ばたきを収めることができました。連続写真です。50%トリミング。(EF500mm F4L IS USM×1.4Ⅲ)

羽の模様がよく分かります。50%トリミング。(EF500mm F4L IS USM×1.4Ⅲ)

この状態では分かりにくですが。50%トリミング。(EF500mm F4L IS USM×1.4Ⅲ)

翼の色合いは小雨覆いから先はオスとほぼ変わらないように見えます。50%トリミング。(EF500mm F4L IS USM×1.4Ⅲ)

同じ水面を泳いでいたホオジロガモのメスのグループ。盛んに潜水を繰り返していました。(EF500mm F4L IS USM×1.4Ⅲ)

あまり人相がいいとは言えませんが、どこか愛嬌のある仕草をします。
ここでの撮影はこれで切り上げ、午後遅く安曇野へ移動。夕暮れ時にコハクチョウの塒(ねぐら)入りを待ちましたが、暗すぎてまともな撮影は無理でした。(EF500mm F4L IS USM×1.4Ⅲ)

翌朝は6時半から現地にて待機。あいにく小雪混じりの天気でモルゲンロートに輝く北アルプスを背景に飛翔するコハクチョウの写真は叶わず。(EF500mm F4L IS USM)

明るくなる前に塒から飛び始めたので、今回は思い切って流し撮りにチャレンジしてみました。コハクチョウは比較的飛翔速度が遅いので1/60秒では羽ばたきが上手くブレてくれませんでしたが、まずまず一羽の顔が認識できるものを選んでみました。(1/60・f4.5・ISO100)(EF500mm F4L IS USM)

こちらも同様です。飛翔感は出ていますね。(1/50・f9・ISO200)(EF500mm F4L IS USM)

一応通常のモードでも撮ってみましたが、光量不足で精彩に欠ける画になってしまいました。AFもイマイチです。(EF500mm F4L IS USM)

池の方もグレートーンで今一つといったところ。(EF500mm F4L IS USM)

カモ達も所在なさげです。(EF500mm F4L IS USM)

そんな中、前夜の雪がうっすらと積もる草むらに出てきたのはヒドリガモ。(EF500mm F4L IS USM)

鳥インフルの影響で野生鳥類への餌やりが制限されているせいか、草の種や枯草を啄む姿が目立ちました。(EF500mm F4L IS USM)

オナガガモは水面を盛んに漁っていました。(EF500mm F4L IS USM)

草原に生えたコセンダングサの花殻。雪の綿帽子を被って。(EF500mm F4L IS USM)

(EF500mm F4L IS USM)オナガガモのオス。綺麗な立ち姿です。

ベンチに陣取るこちらはメス。(EF500mm F4L IS USM)

(EF500mm F4L IS USM)この日一番画になったのはやはりこの草むらでの採餌風景。前ボケ、後ボケも揃って季節感も十分。

オオバンも多いのですが、ヒドリガモばかりを狙ってしまいます。(EF500mm F4L IS USM)

なかなか凛々しいですね。
この日は終日曇り時々小雪で、寒く、撮影条件も悪いので、早々に撤退。ネットカフェで撮影画像など整理しながら過ごしました。(EF500mm F4L IS USM)

三日目は上空も晴れて、東の空は朝焼けに染まり始めました。北アルプス方面の雪雲も上部のみ残りましたが、下部から北の山麓にかけてはモルゲンロートに薄く染まり始め、ロケーションとしてはまずまずの状況です。
この日は最初から流し撮りのつもりで臨みましたが、結果は散々。カメラの振りが全く追いついて行かないのが敗因でした。
上の写真は滑走前のウォーミングアップ中を運良くとらえた一枚です。(EF100-400mm)

諦めて飛び立ちを通常モードで。これも結構難しく、狙った個体にAFが追従しないので、悩みます。
そろそろ機材を替えないといけない時期に来ているのでしょうか。(EF100-400mm)

一瞬だけ朝日が強く山腹に当たった瞬間、稜線を掠めて飛んでくれました。今回の会心の一枚ですかね。(EF100-400mm)

ほんの少しのタイミングで日陰の部分に吸い込まれてしまいました。これはこれでいい色合いですが。(EF100-400mm)

この日も草むらで採餌するヒドリガモを撮ってみましたが。(EF100-400mm)

やはり雪がないと画になりにくいですね。(EF100-400mm)

こちらは駐車場脇を流れる小川に居座るコガモ。50%トリミング。(EF100-400mm)

人も恐れず、距離3〜4mの辺りを泳ぎ回っていますが、レンズを向けるとオスがいきなり威嚇してきます。50%トリミング。(EF100-400mm)

こんな近距離で撮影できたのも初めてなので、少々の愛想の悪さは許してやりましょう。(EF100-400mm)

昼間の滞在場所の犀川本流から二羽だけが戻ってきました。光量も十分なので飛翔シーンもまずまず解像します。(EF100-400mm)

池畔を少し奥まで歩いてみようと思い進んでゆくと、そこにもヒドリガモが草場に群れていました。(EF100-400mm)

別に驚かすつもりはないのですが、やはり近づくと飛び立ち、池へ。すかさず飛翔シーンも抑えます。(EF100-400mm)

しばらくは二羽だけ戻ったコハクチョウを逆光位置まで移動してじっくりと撮影しました。ペアなんでしょうか?仲睦まじい感じです。
今回犀川本流の滞在地にも足を伸ばしたのですが、あまりにコハクチョウの数が少なく、水面も縮小していて写欲が湧かず、早々に撤退してきました。年が明ければ増えることを祈ります。(EF100-400mm)

今回の撮影行の最大の収穫がこれ、カワセミでした。
二羽の白鳥の撮影から戻る途中、池の流れ出し付近にも小さな水たまりがあるのですが、そこから飛び出した青い鳥が目の端を掠めました。
飛び去った先は池のほとりの灌木の枝でしたが、そちらを振り向いただけでまたどこかへ飛び去って行きました。50%トリミング。(EF500mm F4L IS USM×1.4Ⅲ)

必ず元の池に戻ると信じて、車に戻り500mmレンズにx1.4のエクステンダーを装着して、待つこと数十分。再び先程の水溜りを覗くと案の定青い影が草間から確認できました。
ひとつ上の画像は手前の草に遮られていますが、カワセミからも見えない位置だったので、まずは押さえで撮ったものです。50%トリミング。(EF500mm F4L IS USM×1.4Ⅲ)

それから徐々に視界が開ける場所まで横移動して、更にジリジリと正面移動を繰り返しながら10mぐらいまで接近、ようやくまずまず解像する写真を得ることができました。50%トリミング。(EF500mm F4L IS USM×1.4Ⅲ)

カワセミ自体は完全なライファーではありませんが、撮影自体は二度目。
いきなりこの距離で撮影できたことはまさに僥倖の一言といえます。
この幸先いい出会い。良い一年になることの先触れであって欲しいものです。30%トリミング。(EF500mm F4L IS USM×1.4Ⅲ)