三日目は夜明け前から探鳥地へ。
塒(ねぐら)からの飛び立ちではなく、ロケーションのいい本流の堤防上で飛来を待つことにしました。
ここは初めてEF500mmと三脚でアルプス背景の飛翔を撮った実績のある場所です。
その時は日中の飛翔も何回かあったので、初めてにしてはまずまずの絵が撮れたことに気を良くしたものです。
それにしても寒い。
朝、宿を出る際の車載の気温計はマイナス7℃を指していたので、まだそれほど上がっていないはずです。
にも関わらず、既に飛来地の河原には5〜六組のバーダーが陣取っていました。
みなさん完全防寒装備ですがそれでも寒そうです。
やがて常念岳方面にモルゲンロートが始まり、あとはこのタイミングでの飛来を待つばかり。
早く飛んでくれ、とのバーダーの思いが伝わるようです。
待つこと20分くらいで第一陣の飛来が始まりました。
塒の遊水池から独特の鳴き声と共に、河原との境の木立の樹冠を掠めて飛翔してきます。
アルプスを背景にした時がいちばんのシャッターチャンスですが、そこにきてからAFを合わせたのでは遅いので、かなり手前から追ってゆきます。
但し最近のミラーレスの被写体認識機能と比べると、EOS7DⅡはどうしても劣ってしまうので、空抜けや遠方の山肌背景の場合は追い続けてくれますが、近景の林を掠めるような場合はそちらに持って行かれやすいので、肝心の場面でフォーカスを外す場合があって残念な思いをすることも多々あります。
但しレフ機は親指AFのおかげで、復帰も早いのでそこだけは利点でもあります。
結果は思いの外飛翔高度が低く、アルプス背景の場面が少なかったことと、時間的に光量が不足で精細な絵が撮れなかったことが不本意でしたが、モルゲンロートは綺麗に出てくれたので、まず良しとしなければいけません。
この日はこの探鳥地での最終日と決めていたので、昼食休憩の後所用を済ませて、夕暮れまで撮影を続けました。
※画像は全てノートリミング。RAW現像済み
使用機材:Canon EOS 7D Mark II +Canon EF500mm F4L IS USM

モルゲンロート背景のコハクチョウ。河原に降り立つ前に旋回するので、正面から捉えるチャンスがあります。但しAF的には辛いシーンです。

距離感はまずまずでしたが、もう少し群れが密集すれば良かった。

近距離でAFがあった場面。でも拡大するとザラザラです。高感度に強いボディが欲しい...。

モルゲンロートも終わり、シルエットになってしまいましたが、常念岳背景のいい構図の写真になりました。

遠距離での群れの飛翔を捉えた一枚。

日が登ってから飛び立ちのシーンを狙ってみました。川面に朝霧が立ち込め、AFが効きづらく苦労させられました。

体が重いせいか助走距離も長く、水面を蹴る動作はドタドタと不恰好です。

少し内股です。

餌場の浅瀬で鳴き交わすコハクチョウ。

羽ばたきも迫力があります。

初列風切り羽が朝日を透かしてきれいですね。

川霧が晴れて視界がクリアになった時間帯での滑走。

割と近くでしたが、フォーカスが合いました。

表情は全く変わりません。

池に戻る途中バンのメスに遭遇しました。昨日もこの辺りをうろうろしていましたが、逆光で真っ黒になって羽衣の色も分からないほどだったので、ようやく確認。オスに比べるとやはり地味ですね。

ライファーとなったクイナ。こちらも同じ場所で。あまりいい絵は撮れませんでしたが、記念すべき出会いでした。

池の岸近くは氷が溶け残っています。そこに映った白銀の稜線と昼寝中のオナガガモを合わせてみました。