乾鳥期。
草原の鳥も渡りを前に下界に降りたのか、ほとんど見られなくなり、湖の鳥も渡り途中のシギや居着きのカモ類が少しばかり。
昨年は9月から置いたヒマワリの種に早速やってきたカラ類も今年は未だ少数を散見するばかり。
猛暑の影響か、野鳥の世界も毎年のように状況が変化している。
本格的な冬鳥の飛来まであとひと月。
それまではじっと我慢の日々である。
今年は初夏から盛夏にかけてほとんど山に入らなかったので、風景撮影の機会も僅かで、6月の横岳のイワヒバリ以外亜高山の鳥の写真もほとんど撮ることができなかった。
なので先日北八ヶ岳の山上湖周辺にホシガラスを目当てに出かけてみたけれど、これが全くの不発。
この時期の餌となるチョウセンゴヨウの実が全く付いていないのが気になるところだ。
仕方なく風景撮影に切り替え、しばらく苔の森を逍遥してみた。
目当ての山上湖から流れ出す沢は伏流していて流れが見当たらないのは予想外だったけれど、森は前日の雨のせいか倒木を覆う苔が鮮やかで素晴らしい被写体となった。
それからは意識して亜高山の苔むす森や沢を選んでの撮影。
相変わらず機材の限界は感じるけれど、無い袖は振りようもないのである。

苔に覆われた倒木が続く亜高山の森。

肋骨のような倒木も画になる被写体。

パースペクティブの構図は奥行きを感じさせる。

深山の渓流。近年の異常降雨でも比較的荒れない沢の一つだ。

同じ沢。苔の緑と流れの色が美しい対比。

何もかもが苔に覆われた世界。まさにMoss World。

同じ流れは渓相を変えどこまでも続いてゆく。

数ある山水の名庭園もこの景色には敵わない。