芦川北稜を訪ねる旅。
今では地形図に破線としてのみ残る峠道。行き交う人も無く落ち葉に埋もれ、崩壊し、倒木に塞がれ、灌木が茂るに任せるかつての生活を支えた交易路を、まだ青葉の茂る前に一人歩いてみた。
起点は芦川沿いの大西集落から。まずは931.9mの三角点を目指す。ここが峠への入口。
昔ながらの家屋と白壁がきれいな蔵が残る。日差しもうららかだ。
しばらくは落ち葉に覆われた沢沿いの杣道を登る。集落で畑仕事をしていたご婦人に道を訪ねると沢の東側にはくくり罠が仕掛けられているので注意して行きなさいといわれ、おっかなびっくりで歩を進める。暑く堆積した落ち葉をかき分け、ストックで足元を探りながらのまるで座頭市。
ヒトリシズカも咲き始めたばかり。このぐらいの時はとても清楚だ。
キランソウかジュウニヒトエか。この種の花は区別が難しい。花穂を立てているのでジュウニヒトエに見えるが葉腋から花が出ているのでキランソウとも言え、この段階では断定はできない。
クヌギだろうか。見るからに固そうな芯材。
タチツボスミレ的なスミレ。変種が多いので同定は困難。
芦川の集落を見下ろす。まさに谷間の村だ。
東側の風景。先日登った滝戸山も左端に覗く。右奥には節刀ヶ岳。
754mピーク。この尾根は比較的なだらかだった。
そこから見る前方の尾根。ピークではなく尾根の肩の部分。まだ先は長い。
一旦下った鞍部は馬の背で左右は樋状の急なルンゼ。この先「たいら山」の手前までは道型が明瞭だった。
たいら山」山頂。標識が二種類対面している。
少し離れた場所にある三角点。地形図上の931.9mピークか。
キブシも咲き始めたばかりだ。