4月30日には硫黄から横岳まで歩いてみた。
今年は残雪が多いとはいいながら、稜線もすっかり春山の佇まいで、風がなければ暑さを感じるぐらいだ。そのため早朝の時間帯を除けば雪はざくざくに腐って、足の置き方によっては滑ること甚だしい。特に陽の当った稜線のトラバースではピッケルが効きにくく、少なからず緊張した。
今回は冬にまともな登山をしていないせいか、なまった体には横岳を越えるだけで精一杯。赤岳往復は潔く諦め、地蔵尾根を下山。横岳稜線から見上げた残雪のレース模様を纏った赤岳がひと際美しく印象的だった。
北沢。堰堤広場を過ぎたあたりから残雪が現れる。
何の地衣だろう。ウメノキゴケかエビラゴケか。
鉱泉が近くなると積雪量が増す。
アイスキャンデーも崩壊寸前。
赤岩の頭からの赤岳と阿弥陀。この斜面も滑ったら止まらないので少々怖い。
硫黄方面。雪庇も安定しているように見える。
硫黄山頂。多くの登山者で溢れている。それにしても中にはチェーンスパイクやノーアイゼンできている輩もいて、山頂直下や赤岩の頭の下りが心配になるほどだった。雪山ブームとはいえ、慣れない足取りでやっと下ってゆく登山者を見るとその不用意さに呆れるばかりだ。
山頂には雪はまったくなかった。アイゼンの爪が減るね。