ソメイヨシノの春爛漫。
桜の名所は人の波。
立つは埃か嬌声か。
ここ北杜市でも季節になるとそんな狂歌が聞こえて来そうな桜ブームが繰り返される。
まさに国民行事。
春待つ人の気持ちもわからないでも無いけれど、きっと桜も辟易しているのだろう。
5月1日。
家の裏の山桜が咲いた。
毎年いい写真を、と思いながら機会を逸し続けて来たけれど、今年は何とか表情のある写真をものにできたようだ。
開花したばかりの花弁に朝日が射し、その細胞の泡立ちまでが描写されている。
とかく平板になりがちな花色も陰影のコントラストがそれを鮮やかに引き締めてくれる。
同時に展開する葉のローズマダーからサップグリーンへの階調。
これもまた花弁の添え物以上の豊かな表情に満ちている。