7月末、「山旅会」ウォルター・ウェストンの足跡を辿るシリーズの第二弾企画で、浅間山をご案内させていただきました。 当日も台風6号通過後の安定しない天気。前夜には激しい雨も降り、天狗温泉からの入山者もまばらなようです。
歩き始めてすぐに雨具を羽織りながら、良く踏まれた路をゆっくりと進みます。 一の鳥居、不動滝、二の鳥居を過ぎるとやがてカモシカ平。山麓を彩る野草が目に付き出すのもこの辺りからです。登路左手にはまるでドロミテ山群のような黒斑側の外輪山が立ちはだかり、右手には牙山(ぎっぱやま)の岩塔が迫る様は中々の壮観です。 火山性ガスのにおいがして来ると火山館もすぐそこ、ここで暫しの休憩としましょう。
火山館から湯ノ平高原にかけてのお花畑を楽しみつつ林間を抜けるとやがて浅間本峰がその溶岩砂礫を身にまとった全体像を現しました。 日本有数の活火山は度々の噴火で中々その山肌に植物の定着を許しません。わずかにミネズオウ、コケモモ、ガンコウラン、クロマメノキなどの酸性に強い小低木やイワヤナギ、オンタデが少しずつ這い登っているばかりです。
登り始めて間もなく風雨が強くなりました。 急登の苦しい登りを終え、ようやく本峰との分岐。雨を避けるため急いでシェルターのひとつに逃げ込みました。
態勢を立て直し、覚悟を決めて前掛山を目指します。 と、歩き出して間もなく天気が急速に回復。なんと青空の山頂に迎えられました。 噴煙を吐く浅間本峰はもとより、黒斑や湯ノ丸方面、四阿山、遠く八ヶ岳連峰まで見渡せます。 こんな幸運て、あり? もちろん、「あり」です。
展望を楽しんだ後は足取りも軽く下山です。 ハイライトコースを終了した辺りからまた空が泣き出しました。 登頂前後の美味しい時間だけの晴天。 私の日頃の行いの良さはさておき、奇跡のような一日を体験することが出来たのは、まさに参加者皆様の心根の清らかさのなせる業だったのでしょうね。
この辺りを象徴するグンバイヅルの花が見頃でした。
本峰を見上げます。
見ているのはこの光景。
快調にスタート。
結構な斜度。ちょっとつらいところ。
シェルターで一息。
登ります。
何見てるの?
この景色。
四阿山も見えました。下に広がるは、嬬恋村のキャベツ畑。
山頂標識の前で。
下ります。足取りは軽い。
空が晴れれば、心も晴れる。
下りは快調。
お疲れさま。
湯の平も帰りはるんるん。
シャジクソウが彩り豊に見送ってくれました。