台風15号通過の余韻もさめやらぬ23日から塩見岳~北岳縦走をご案内してきました。
今回の台風では直撃を受けた静岡、山梨両県の被害も甚大で、南アルプス公園線林道も一時不通となり、出発も危ぶまれましたが、何とか開通見込みが立った時点で見切り発車と致しました。
上空の寒気の影響で高峰は雲に覆われていますが、初秋の日差しを浴びての出発。三伏峠への登りを雨具を付けずに歩くのは久し振りです。
夜は大分冷え込みました。
翌早朝星空の下を出発。 伊那谷の夜景が綺麗です。
本谷山に着く頃には夜もすっかり明け、快晴の空の下360度の山岳景観が広がりました。
塩見小屋の手前からは今回歩く縦走路が見渡せます。間ノ岳、農鳥岳が眼前に聳え、歓声とともにカメラの砲列が繰り出されました。
塩見小屋からは今回のルート上最も難しい塩見岳越えが始まります。 落石、ザレた下りでのスリップには要注意です。
塩見岳山頂からは冠雪した富士の雄姿が印象的でした。
ここからは今回最長の尾根ルートを延々と歩かなければなりません。 今夜の宿、熊ノ平小屋は遥か彼方の点に過ぎません。やれやれ。
辿り着いた熊ノ平小屋ではストーブがたかれ、ホット一息つけます。 ストーブを囲んでの談笑もまた楽しいものです。 小屋は明日で営業終了とのことで、何とビールが半額。早速購入しました。
翌朝も快晴。 農鳥岳のシルエットが三日月に良く似合います。
農鳥小屋までのトラバースをこなすと今回のツアーではオプションに設定されている東農鳥岳への往復が待っていました。 リタイヤ希望者無し。 行くしかありませんね。ふー(ため息)。 でもこの農鳥の往復は天気がよければ素晴らしい岩稜の山腹トラバースを楽しめます。 この稜線の切れ目から眺める北岳は鋭角に聳え、まるで槍ヶ岳のようですね。
間ノ岳の登り途中から突然ガスに巻かれてしまいました。 上空に停滞している寒気の影響で急速に気温が下がります。 9月も後半になれば既に高山は冬山でもあるんですね。 そのため今回参加者の皆さんが期待した「日本で一番長い天空の縦走路」は残念ながら「霧の山稜」となってしまいました。
最終日は早朝から雲が周囲を覆い、展望の利かない中を北岳山頂へ。それでも日本第2位の高峰の山頂を踏んだ興奮はあちこちから伝わってきました。
高度が下がるに付け周囲の展望も回復してきます。 眼前に聳える鳳凰三山を眺めながら下降を続け、白根御池通過後とうとう降り出した霖雨の中、予定より10分遅れで広河原に無事下山しました。
ご参加の皆様、本当にお疲れさまでした。
登山口にて。
三伏峠を目指します。
塩見小屋から。布団干し日和。
塩見岳への登り。落石に注意して。
塩見を後にします。
蝙蝠岳への縦走路越しに富士山が浮かび上がっていました。
北俣分岐からの急降下。緊張するところです。
来し方を振り返って。
こんなオブジェもあります。
小岩峰。遠くに熊ノ平小屋が点となっています。
熊の平小屋のストーブを囲んで。ほっと一息といったところ。
薄紅に染まる中央アルプス。三国平にて。
岩原のトラバース。
休みましょう。
岩屑帯。原初の山の姿か。
東農鳥へと急ぎます。
間ノ岳の巨体。西農鳥から。
間ノ岳への急登。ここもつらいところ。
北岳山荘の夕食。
稜線には花は少なかった。今回は登山口のノコンギクに送られ、下山先のノコンギクに迎えられた山旅でした。広河原付近にて。