金曜日には標高1,700mの草原へ。
タイトルには「再び」と書きましたが、偵察も含めると4度目の探鳥です。
前回投稿は2度目の回。
3度目はニッコウキスゲとのコラボを狙いましたが、濃い霧に阻まれ、撮影できたのは朝の内の一時。
それもニッコウキスゲの咲いていないエリアだけでした。
4度目の正直、ということで出かけた今回も結果から言うと惨敗に近く、天気だけは良すぎるくらいでしたが、とうとう花絡みのノビタキは撮りきれませんでした。
最初に訪れた群生地は見物する人もまばらの好条件で、花はほぼ八分咲き。
これでノビタキが絡めば文句なしだったのですが、なぜか影も見えません。
先行者のバーダーに聞いても成果なしとのこと。
諦めてもう一ヶ所の保護エリアに転進しました。
こちらではあちこちに大砲レンズを並べたバーダーが陣取っているのが目に入ったので、期待しつつその仲間入り。
気の良いバーダーの方の横に三脚を並べさせていただきました。
確かにノビタキはいるのですが、かなり距離があるのと、止まり木はツツジの枯れ枝か梢の上ばかり。
周囲に咲き乱れるニッコウキスゲには目もくれません。
なんとなく気がそがれて、それからは草原彷徨。
車移動も含め半日ほどジプシースタイルでウロウロし、午後になって結局元の場所へと出戻りました。
そこでは件の気の良いバーダーの方が粘っていて、しばし歓談。
こんな日は何をやっても駄目なものは駄目ですが、とうとう日の傾くまで居座ってしまいました。
前回濃霧の日には至る所で幼鳥を連れた番(つがい)に出会ったものでしたが(光量不足と霧のために十分な撮影には至らず)、今回はテリトリーを警戒するオス以外は姿を見ることも稀でした。
本来ならヒナから少し成長した幼鳥が巣から出て周囲の茂みや花木(ニッコウキスやコバイケイソウ!)などに止まって親鳥からの給餌を受けるシーンが展開されるはずですが、今年は少し幼鳥の成長が早い気もしますので、すでに親離れしている個体もいるのかもしれません。
無論野鳥が人間の思惑に頓着するわけはなく、こういった晴天時には天敵となる鷲鷹類に襲われる危険性も高いので、日中の行動を控えている可能性もあります。
ただこの標高1700mの湿原エリアを含む撮影地(既にお察しのことと思いますが)はハイカーに人気の観光スポット。
ノビタキの営巣地もハイキングコースに隣接し、天気が良ければハイカーや観光客が絶えることがありません。
そんなエリアに何番(つがい)ものノビタキが営巣して子育てするのは何故でしょうか。
近年八ヶ岳エリアではジョウビタキの留鳥化が顕著ですが、この鳥は敢えて人家近くに営巣して、その意図せぬ保護をうまく利用している気がしています。
ツバメもまた然り。
なのでこの場所のノビタキも単に繁殖環境の適合という条件だけでなく、人間の行動を巧みに利用しているということも言えるのでしょうか。
あるいは太古からの野生の営みのままにこの地に飛来して繁殖活動を行う中に人間が勝手に入り込んでいるだけなのか。
いずれにせよ、彼らにとって欲に駆られたバーダーの存在は自他共に迷惑なのは間違い無いことのようです。
※画像は一部トリミング、JPEG撮って出し
使用機材:Canon EOS 7D Mark II + Canon EF500mm F4 IS USM(×1.4エクステンダー使用)
早朝のニッコウキスゲの群生地で。朝日のせいか赤みが強く出ました。
二番目の保護エリアではオスが警戒中でした。それにしても距離が遠い。(80%トリミング)
意味不明の羽ばたき。威嚇でしょうか。さもなくばこちらの到着を喜んで万歳?(80%トリミング)
再度の移動先で。親子を捉えることができましたが、ヒナの催促にお父さんそっぽ向いてます。おまけにこの辺りにはニッコウキスゲは皆無...。(80%トリミング)
転進先の湿原にはノハナショウブが綺麗に咲いていました。去年と違いこの辺りではノビタキの姿は全く見られませんでした。
舞い戻った二番目の保護エリアでようやくそれらしい画を撮りましたが、フェイクの謗(そし)りは免れませんね。(80%トリミング)
花だけは見事でした。今週末までが見頃でしょう。