梅雨明け間近の5日、「山旅会」の皆様をご案内して保福寺峠トレッキングに行ってきました。 このツアー、「日本アルプスの父」とも称されるウォルター・ウェストンの足跡を辿るシリーズの第一弾で、ウェストンが初めて槍ヶ岳を目指す山旅の途中で越えた保福寺峠を訪ねる企画です。
今回も予報に反して大快晴の朝。猛暑を予想させる好天の中、バスは新宿を出発しました。 バスの中で今回のテーマの簡単なレクチャーを聴いていただいた後、3時間程かけて登山口到着です。歩き始めても太陽は容赦なくギラギラと照りつけます。(先が思いやられますね…。)
急いで林間の林道に逃げ込み、目につく樹々や草花の話しに興じながら、高度を稼いで行きます。 間近に聳える大明神岳がいい感じです。
林道の峠で昼食後、いよいよ古道歩きが始まります。道形は残っていますが、ほとんど歩かれていない峠道は降り積もった落ち葉で埋まり、確かに足には優しいのですが、少々歩き辛いのが難点。 林間なので湿度も95%ぐらいと感じられる程の蒸し暑さに全身汗だく。こんなところでサウナ!かよ、という感じでした。
それでも途中には古い石の道標や苔むした石仏が残り、往時を偲ばせます。 道標の傍らでの休憩の際、ウェストンの著わした「日本アルプス・登山と探検」の保福寺峠越えの箇所を参加者のお一人に朗読していただきました。 静かな山中での文学との親しみ、とてもいいものです。 峠の少し手前で青木村からのウェストンルートに合し、そこから峠まではほんの一登りでした。
峠のはずれの小高い場所に「ウォルター・ウェストン日本アルプス絶賛の地」の大きな石碑が建っています。 そこからは松本平越しに北アルプスの絶景が広がるはずでしたが、生憎稜線上部は雲に覆われていました。
休憩後第二目標の「二ツ石峰」に向かいます。 日頃鳴らした足に自信の「山旅会」の面々。とても峠歩きだけでは収まらないとの前情報に、こちらも緊張して望みます。 それにしても二ツ石峰の何と急登なこと! はっきり言って、ばてますね。 残念ながらこちらからもアルプスの大展望は望めませんでした。
それでも尾根を渡る風は汗を気持ち良く冷やしてくれ、少しは山歩きの醍醐味を味あわせてくれました。 面々の中には帰りにしっかりワラビをゲットして行く強者もいて、さすが転んでもただでは起きません。
下りは時間の関係からひんしゅくを買いながらも超スピードで下山。(こんな時足にやさしい落ち葉の道はありがたい)2時間遅れでしたが、暑熱の残る鹿教湯のひなびた温泉街に無事辿り着きました。
等身大の道標。「北向山」は別所にある北向観音のこと。
接待茶屋跡付近にある「石止め観音」。
「日本アルプス絶賛」の碑。
アルプス連稜の上部は見えなかった。
タガソデソウ。絶滅危惧種。
峠道沿いにあったウメガサソウ。
文殊の湯のかたわらに咲いていたアジサイ。