今日も快晴。
山麓牧場のヤマナシの開花状況を偵察に昼前に出かけました。
毎年5月の20日前後が満開のピーク。今日も空はあくまでも青く抜け切って、日差しの強さも典型的な初夏の風景をくっきりと隈取っています。
彼方に霞む富士山も残雪が傘状に縞模様を描き、まさに北斎の富岳図そのもの。そろそろ農鳥も姿を消す頃でしょうか。
予想に反してヤマナシはまだ蕾みをほころばせてもいませんでした。
周囲の森も灰褐色のくすんだ色が未だ支配的。今年は一週間は季節の歩みが遅いようですね。
それではとターゲットを変更してクモイコザクラを探します。
渓谷に沿って歩くこと暫し、こちらは例年通りその可憐な花で安山岩の岩壁を彩っていました。
この辺りに咲くこの花は一時期「キヨサトコザクラ」と名付けられ、変種の扱いもされたようですが、その後同種ということに落ち付いた経緯もあります。
そのせいか清里に特に良く似合う花のひとつと思えるのは少々贔屓(ひいき)の引き倒しというものでしょうか。
この花のかつて偶然見つけた鞍掛山の見事な群落も忘れられない深山での出会いのひとつです。
ムシカリ。ようやく咲きましたという感じ。
タチツボスミレ。ありふれてはいても林床の青い宝石の座は揺るがない。
クモイコザクラは安山岩の小さなクラックやテラスに根を降ろす名クライマー。