昨日は代表を努める自然ガイドクラブの企画山行下見に行ってきました。
目的地は丹沢山地のミツバ岳です。今回はサブの役目なのでメインガイド担当の同僚のコーディネイトでこのコース初見参でした。丹沢湖畔の駐車場から滝壺橋を渡ってすぐ登山口となります。少し悪いガレ場を超えるといきなり杉檜の植林地の中を急登が待ち構えています。単調で苦しい登りを黙々と高度を稼ぐとやがて所々ミツマタが出てきます。満開にはまだ早く、開いた花は僅かでした。ツアー当日頃が見頃となるといいのですが。延々と登り続けてようやく明るい広葉樹林の広い尾根に出ます。シデやケヤキの大木にキハダやキリが混じります。傾斜が緩み始めると南斜面にミツマタの群落が出始め、やがて山頂に到着です。この山は地形図にも登山地図にも登山道の記載がないので山頂標識は手作りの小さなものが控えめに置かれているだけでした。山頂の西側は少し開けていて、ここからは前日に降った雪で真っ白に雪化粧した富士山が見事でした。
ミツバ岳山頂からは尾根通しで権現山を目指します。広葉樹の多い明るい尾根を1時間程登ると二等三角点の置かれた権現山。山頂はブナの多いなだらかな尾根上にあり、ベンチ兼用の休憩テーブルがありました。ここで昼食をとり、あとはのんびり往路を戻ります。丹沢山地とはいえ、遠望できる北東方面の主脈はどのピークも雪に覆われ、厳しい様相を呈していましたが、少し標高を落とすだけで日だまりが嬉しい里山ハイクが楽しめます。今回はミツマタの花以外春の兆しを感じることはできませんでしたが、今月も下旬ともなれば一気に春めいた表情に変わり、参加者の皆さんの目を楽しませてくれることでしょう。
控えめな登山口。手作りの案内板が可愛らしい。
ツバキが満開でした。
ヒノキの植林地内にぽつりぽつりと咲くミツマタの花。このあたりでは開き始めのものが目に付きました。
広葉樹林になると傾斜が緩みます。
ケヤキの大木が目に付き始めると山頂も間もなく。
山頂手前ではミツマタの群落が迎えてくれます。
甘い良い香りがするそうです。
三等三角点のある地味な山頂。標識も手作り感に溢れていました。
西面は富士山の展望地となっています。手前のミツマタが満開になればいっそう画になりそうですね。富士山は実際にはもっと大きく見えます。
鹿の食痕が残るキハダの樹皮。古い傷跡もあり、定期的に訪れるレストランといったところなんでしょう。あるいは胃腸の悪い鹿にとっては行きつけの漢方医院かもしれません。
前日の雪が苔の上に残っていました。
こちらは二等三角点の権現山山頂。
この尾根にはブナの大木が多く目に付きます。
朽ちた祠が残っていました。
なだらかな尾根をミツバ岳目指して下ります。雪雲が近づき風花が舞ってきました。
キハダに着生したノキシノブ。
ミツバ岳の山頂付近は丹沢湖方面が切り開かれています。