子供の頃には気づかなかった花木がある。
山中で育ったとしても全ての草木が日常の圏内にあるわけではなく、ましてやそれが食用になるものでなければそれほど気にも止めなかったということなのだろう。
そしてもうひとつの要因は目線。
結局子供の目線というものは同じ高さか常に下に向いているものだ。
道草のご褒美。
だから考えてみればハクウンボクやホウ、エゴノキ、コブシなどはまさに埒外にある白い色彩ぐらいに感じていたに違いない。
白雲木と書く。
整った花序の連なりとひとつひとつの花の造形。
今見ればこれ程華麗で贅沢な花叢もそうは無いのだけれど。