二週間ほど前になりますが、知人たちとのハイキング山行のコース下見で北八ヶ岳のニュウを目指しました。
いつも通り諸事情で早立ちができず、体力も限界だったため、結局ニュウの山頂は諦め、シャクナゲ尾根から白樺尾根への周遊で終わりました。
このコースはこれまで2010年の10月に歩いたのが最初で最後。
今回は二度目になります。
前回は記録を見る限りしっかり山頂も踏んで周遊しているので、14年経ってすっかり体力も落ちたということになりますね。
まあ時間もありませんでしたが...。
前回はニュウまでそれほど苦労なく登った記憶しかなく、シャクナゲ尾根もみどり池までの登路同様、亜高山の落ち着いた歩きやすい登山道だった気がしていましたが、今回歩いてみてその印象が全く見当違いなのに驚きました。
今回も撮影機材は最小限に抑えたつもりでしたが、それでも一眼レフ二台は変わらず。
結局12〜13kgにはなってしまいました。
そのせいかこの夏はすでに2回ほど北八ヶ岳詣をしているにも関わらず、相変わらず足取りははかどりません。
流石に大腿筋の攣りはありませんでしたが、シャクナゲ尾根と白樺尾根の分岐に辿り着いた頃はバテバテ。下山が心配になるほどでした。
ニュウをパスした理由の一つは帰着時間の不安もありましたが、下界の晴天に引き換え、稜線には雲が掛かり、山頂のいい画が撮れそうもなかったことがあります。
そのため一脚と広角ズームを装着したPENTAXの一眼レフは全くの役立たず。レンズを揃え、早くCanon機に統一したいものです。
下山路は比較的歩きやすい道でしたが、記憶とは全く違っていて、ことに登路に戻る林道は完全に廃路と化していました。
14年という歳月は人も自然も大きく変えてしまうものですね。
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このコースでまず目を引いたのはオレンジから朱色の色鮮やかなキノコ。帰って調べるとアカヌマベニタケというのが近似種ですが、特定はできません。
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これはスギタケでしょうか。
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樹林の切れ目から遠望する謎の岩峰。現場でしっかり確認すればよかったのですが、多分ニュウ。
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尾根道はその名の通りシャクナゲが多い。今回100-400mmのみで撮ったので画角が狭いものばかりです。
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正体不明のビロード状の表面を持ったキノコ。
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珍しく苔のない倒木に実生のシャクナゲが発芽していた。
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登山道はこんな感じで往来の少なさを感じます。
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こちらはコメツガとシャクナゲが混生した倒木更新。この先でルートをロスト。しばらく彷徨。
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尾根を外れてしばらくトラバース気味に。倒木を覆う苔の衣。北八ヶ岳の典型的なカット。
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緑の世界。
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ちょっと方向の怪しい指導標。
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こんな良路もあります。でも続かず...。
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懐かしのミヤマハナゴケ。地衣ですね。
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カワラタケの一種か?
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ヤマヒコノリ?地衣ですね。
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かつてのサインはニュウが「乳」に。遠望した岩峰がその形に見えたところから来ているようですが、実際は収穫後の稲藁を積み上げた稲塚のかたちになぞらえたもので、稲塚を意味する「にお」が訛ったものと言われています。白駒からの分岐には「ニュー」という表記もあり、なかなか混乱させられます。
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ムラサキシメジに似ていますが...。
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カンバタケ。ダケカンバに生えたいわゆる「猿の腰掛け」。
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尾根の十字路手前の最後の登り。この辺りで腹痛を催す。
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十字路から白樺尾根に降り掛かったところで小休止。十字路は直進すれば白駒池、左折すればニュウ山頂。登山地図だとニュウまで往復1時間30分。とても無理でした。
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同定が難しいキノコ。ヒメカバイロタケが一番近い?画にはなります。
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こういったコケを見ると条件が悪いにも関わらずつい撮ってしまう。
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黒木の急斜面を降りるとしばらくはほぼ平らな笹原の尾根上を行きます。
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その先で廃林道に合流。この林道を突っ切って緩傾斜の登山道を進むと、左手に小海リエックスのスキー場を見てサラサドウダンツツジの群生地のある登山口に出ますが、そこから小海町のバスの通る舗装された林道をシャクナゲ尾根登山口まで戻るにはかなりの歩きを覚悟する必要がありますね。但し下山が遅くなって不安な場合はこのルートの方が安全かもしれません。タイミングが合えばバスを捕まえる手もあります。
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廃林道を辿って「八岳の滝」の上流に掛かる橋を渡るとすぐに右手の急斜面が大規模に崩落している箇所に出会います。防護ネットもその重みに耐えきれずに道幅いっぱいに岩の堆積が横たわっているので、通過には緊張を伴います。今回は崩落した岩で膨れ上がった金網とガードレールの間の狭い隙間を体を斜めにして通り抜けました。挟まれる危険もゼロではないので、場合によってはガードレールの外側を回った方がいいかもしれません。いずれにせよ単独、暗い時間帯の通過は勧められません。写真は通過後に安全圏から振り返ったもの。大崩落は奥の灌木のさらに奥になります。