十数年振りに油彩画を描こうと思い、キャンバスを張ってみました。
夏前にも号数の小さなものは以前使ったロールキャンバスの残りがあったので数枚は張ったのですが、それでお終い。
そのためネット通販で安めのものを1ロール注文しました。
木枠は以前に描いたもので、未完のものや気に入らなかったものを画布だけ外して保管していたものがあるのでそれを流用。
今回はM60号を4枚、M50号を2枚、P50号を2枚貼ることができました。
それにしても十数年前と比較して、画材の高騰振りには驚きます。
キャンバスそのものはまあそれなりの値段ですが、木枠が高い。
以前はほとんどが品質に定評のある「岡」製のもので、全てシダー材(杉材)が当たり前でしたが、最近は建築材の値上がりと同様、輸入材の高騰で木枠の単価も上がれば、そもそもシダー材が入ってこないとのこと。一時的に松材に替わっているようです。
この辺りにもロシアとウクライナの紛争が影響しているのでしょうか。
品質にこだわらなければ、安価なものは桐材ですが、これも小さいサイズで何回か使ってみましたが、とても大サイズに使う気が起こらない代物です。
キャンバスといえば中学生の頃からあのシダー材の独特の香りが心地よく、新しいキャンバスに向かうとわけもなく気持ちが高揚したものです。
まあ今回は在庫があったのでなんとか間に合いましたが。
ただ久しぶりにそれなりのサイズを8枚も張ったので、筋肉痛発症。
特に画布に張力をかけるキャンバス張り器(正式名称はなんというのでしょうね)のグリップを保持する左手は腱鞘炎になりそうです。握力も落ちたものです。
これでキャンバスは揃ったわけですが、肝心の絵の具が古いものばかり。
量的にも不足なので購入しないわけにはいきません。
ただネットで確認すると国産の普通の20号チューブ(110ml)で安価な色でも1本¥1,600〜¥1,700。
コバルトブルーなどの希少顔料になると1本¥5,000以上します。
高級絵の具になると幾らするのか調べてみるのも恐ろしいぐらいです。
しばらく離れてみると絵の世界でもこの有様。
世知辛い世の中になりました。
M60号の木枠に合わせてキャンバスをカットします。今回購入したのは「クレサンジャパン」製の麻100% ロールキャンバス。145cm幅×10.3mで¥23,680(税込・送料無料)也。少し薄い印象がありますがこれ1本でかなり張れます。
昔は「フナオカ」ブランドが国産のものでは一般的で、少し高い印象はありましたが製品的にはとても優れものでした。2015年頃倒産したようですが、惜しいものです。
張り終わった状態。計測したわけではありませんが1枚張るのに30〜40分は掛かったでしょうか。
三つ道具とタックス(専用釘)。左の赤い柄のペンチ状の器具がキャンバス張り器。同じく赤い柄のドライバー状のものはタックスを抜く道具。タックスは昔はほとんどが安価な鉄製で、使用用途にはなんら問題は感じなかったのですが、多湿の日本では経年によるサビで画布が腐食するという問題が生じることが分かったので、今回はステンレス製のタックスを使いました。
張り終わったキャンバスたち。手前の2枚は既製品。古い木枠がまだ幾つかあるのですが、最近スタンダードサイズのFサイズを好まないので、どうしたものか思案中です。